更新:2010年9月19日

第31回関西CAE懇話会

開催概要
テーマ 「遷都1300年、古代の文化と技術に学ぶ」
日時 2010年10月15日(金) 10:00〜19:00 <受付開始 9:30> 時間割
会場 奈良商工会議所
  近鉄奈良駅(1番出口)より徒歩約1分
  〒630-8586 奈良市登大路町36-2
 ■アクセス   
主催 関西CAE懇話会 、IEEE関西支部
協賛  財団法人計算科学振興財団
参加費 CAE懇話会個人会員    一般 :2000円、学生/院生:1000円
CAE懇話会個人会員以外 一般 :3000円、学生/院生:1000円
※CAE懇話会の年会費は、賛助会員(個人)で2000円です。この機会にご入会をいただければ幸いです。
請求書による振込みを希望される場合は、CAE懇話会事務局まで事前にご連絡ください。
※参加費には交流会費用を含みます。
※IEEE会員の方は、CAE懇話会個人会員の参加費用と同額となります。
お申込 事前申込は締切ました。
当日は、会場へ直接お越しください。
会場で受け付けます。
お問合せ先
CAE懇話会事務局

プログラム
●基調講演 (15:30〜16:30)
  「カルチュラル・コンピューティング」 日本文化というテクノロジー [概要]
京都大学 土佐 尚子 様 (土佐先生のご紹介)
●特別講演 (13:00〜15:00)
  (1)特別講演1
  「古代を解く:唐招提寺金堂の保存修理」 [概要]
 竹中工務店  長瀬 正 様
  (2)特別講演2
  「古代建築の仕組みから学んだ現代建築の構造システム -連結制振構造 デュアル・フレーム・システム- 」 [概要]
 (株)大林組  西村 勝尚  様
●技術講座(10:00-15:00) 
設計検討ってどないすんねん!!〜CAEを有効活用するための材料力学の基礎〜  [概要]
 
オムロン(株) 岡田 浩 様
ダイキン工業(株) 出口 良平 様
「電子回路シミュレータ『SPICE』をもっと知ろう!!」[概要]
CAE懇話会      加藤 博二 様
●実験とCAE (10:00〜15:00) [概要]
  「強制変形による歪測定」
 (株)GSユアサ 研究開発センター 吉田 豊 様
  実験協力:
   フォトロン 古川 仁 様
   ソリッドワークスジャパン  島村 知子 様
  ※定員 25名、予約制
●デモ展示 (10:30〜16:30)
CAE懇話会団体会員の展示をご覧いただけます。(申込み順に掲載)
(株)テクノスター TSV-Pre, Post, Designer, PersonalViewer
インターメッシュジャパン(株) Femap、Solid Edge ST CAE向け活用デモ
(株)エヌ・エス・ティ Femap、ModelCenter
エムエスシーソフトウェア(株) MD Nastran Desktopのご紹介
(株)フォトン 電磁場解析ソフト PHOTOシリーズ
     
●資料展示(10:30〜16:30)
ソリッドワークス・ジャパン(株) SolidWorks , SolidWorks Simulation 2011
(財)計算科学振興財団 FOCUSスパコン等の紹介
     
●交流会 (16:45〜19:00)
 パネルディスカッション 「古代の文化と技術に学ぶ」
 
プログラム概要
基調講演 (15:30〜16:30)
  「カルチュラル・コンピューティング」 日本文化というテクノロジー
京都大学 土佐 尚子 様 (土佐先生のご紹介) 
   未来のコンピュータの不可欠なコミュニケーション能力である、定量化できなかった個人の感情・意識・民族性・物語性といった人々に内属する文化の本質を表現し、文化の精神に触れるインターフェースを研究しています。文化には、固有のまたは共通の形式があります。人間が歴史の中で行為や文法などの形で蓄えてきたものをモデル化し、ITを用いてインタラクティブな表現、文化理解体験をする方法を、「カルチュラル・コンピューティング」と定義します。特に日本文化のコンピューティングに注目し、ほとんどコンピューティングの対象となって来なかった(1)日本の移ろいやすい気象・自然風土「もののあわれ」などの無常思想、「わび、さび」などの美意識
(2)日本文化とアジア文化との関係性 (3)神仏習合を根底とした文化構造 (4)和歌、俳譜や能などの日本語独特の特性
(5)日本的意匠(紋、織、色、型、能、歌舞伎)を研究しています。
こうした「カルチュラル・コンピューティング」の概念を提示し、未来のコンピュータのコミュニケーション能力に欠かせない、人間の感情・意識・記憶の違いを反映させるコンピューティングの方法を説明します。

土佐先生の著書:「カルチュラル・コンピューティング」 Book
特別講演  (13:00〜15:00)
(1)特別講演1(13:00-14:00)
「古代を解く:唐招提寺金堂の保存修理」    
  竹中工務店  長瀬 正 様   
 平成10年から始まった国宝唐招提寺金堂の保存修理が21年の秋に落慶を迎えて完了しました。今回のように,国宝である古代木造建造物への 大々的な 構造解析の適用は画期的なことです。構造技術者として解体修理に参画して,古代の技を解き明かすために行った構造調査・実験・解析と構造補強の内容を,10年間の修理記録と併せて紹介します。
関連情報ーー> 2010年日本建築学会賞(技術)受賞
         ”国宝・唐招提寺金堂の保存修理における構造解析を中心とした科学的手法の展開”
 資料: Document-1 Document-2
(2)特別講演2 (14:00-15:00)
 「古代建築の仕組みから学んだ現代建築の構造システム −連結制振構造 デュアル・フレーム・システムー」
 (株)大林組 西村 勝尚  様  

「コロンブスの卵」的発想により,塔と心柱が離れている五重塔に見られるように,1つの建物を敢えて分離・独立した固有周期が異なる2つの構造体で構成し隙間を設け,両者間を速度依存型の制振装置で連結することにより,高い耐震性,フレキシビリティある空間を実現した二重構造による連結制振構造「デュアル・フレーム・システム」の概要を,建築計画および解析結果を基に紹介します。

 関連情報ーー>デュアル・フレーム・システム
 資料: Document-1
実験とCAE (10:00〜15:30)
  「強制変形による歪測定」
(株)ジーエス・ユアサ コーポレーション 研究開発センター 吉田 豊 様 
協力:フォトロン奥田様(高速度カメラ)、ソリッドワークス大沢様(解析)
  鉄橋模型(添付写真は変形状態)を強制的に変形、歪みゲージの信号を高速度カメラに連動させ、信号と映像を同時に追いかけます。
ひずみゲージを5箇所(測定したい箇所)に貼り付け、5チャンネル同時に高速度カメラに入力、映像と信号を同期させます。
解析としては弾塑性解析になると思います。
支持の違いにより、変形も変わることが私自身の解析結果から分かりました。
参考のため2種類の画像(ハーフモデルでの計算)を紹介します。参加者の皆さんもぜひ事前に解析していただき、
ひずみゲージの貼り付け箇所を心づもりしておいてください。

※募集定員 25名(5名ひと組で取り組んでいただきます) 、予約制(立ち見はフリー)

試験片の写真

鉄橋模型  支持方法1   支持方法2
   
技術講座 (10:00 〜 15:30)
「設計検討ってどないすんねん!!〜CAEを有効活用するための材料力学の基礎〜」
 
(10:00-12:00,13:00-14:00)
 オムロン(株) 岡田 浩 様 
 ダイキン工業(株) 出口 良平 様
2011年2月〜3月に実施予定の解析塾「(仮)設計検討ってどないすんねん!! 〜CAEを活用した機械設計」に先立ち、同講座の概要紹介とともに、CAE活用の意義、CAEを活用するために必要な材料力学の座学を行います。
 予定カリキュラム:
   1.CAEを活用する意義 (10:00〜10:30)
   2.CAEを有効活用するための材料力学   (10:30〜11:30)
   3.CAE解析上の注意点と結果の見方
     ・CAE設定上の注意点           (11:30〜12:00)
     ・CAE解析結果の評価法          (13:00〜13:30)
   4.解析塾の概要紹介
     構造解析編、放熱設計編、樹脂成形編 (13:30〜14:00)
   資料: Document-2
「電子回路シミュレータ『SPICE』をもっと知ろう!!」   
  (14:00 〜 15:00)  
  加藤 博二  様
   EMIシミュレータや熱流体ソフトの充実により、試作レス、フロントヘビー開発の機運は高まってきつつある。
しかし、これらのソフトは当然のことながら電圧・電流波形や損失を入力しないと結果を求めることができないが、この場合、どのようなデーターを入れてやるのが最も適しているのでしょうか?
 検討初期・開発初期においては実機は存在していないのだから当然、仮空のデーターになるわけであるが
  ・新規設計なのに過去の波形?
  ・開発が遅れても正確を期するために実機データー?
  ・それとも山勘?
 開発初期段階で信頼性の高い電圧・電流波形はどれなのでしょう?
一番はやはり回路シミュレータの波形ではないでしょうか?
 回路シミュレータといえば昔から"SPICE"なのですが、最近は図面CADやプリント基板CADの方に主眼をおかれ、『とにかく回路図さえ書ければ簡単に使えますよ』のセールストークで導入してデッドロックに乗り上げ、
  ・おまけ扱いの貧弱な解析サポート力に嘆き、さらには、
  ・回路の機密保持のためユーザー会のような公開ができず、従って、
  ・諸先輩方の有益なアドバイスも得られず、解決に苦労された方はいませんでしょうか?
 結局はベンダーにも充分な相談ができず、挙句のはてに放置されている方もおられるのではないでしょうか?

 フリーソフトや各種解説本が充実してきた今回は、できる機能の紹介や操作の説明ではなく、非線形動解析で陥り易いデッドロックの説明や、それらに乗り上げないことに注力し、Spice内部の動作、落とし穴、デッドロックに乗り上げた場合の対処方法を簡単な事象を例にして説明します。
 そして それらを踏まえた上で、回路設計に使える有効な機能について例を挙げて説明を行います。

注)本講座はAutoMotive SPIC(d)Eとは何の関係もありません。
   資料: Document-3