●基調講演 (17:00〜18:00) |
「日本におけるオープンソースCAEの現状およびOpen FOAMによるスパコン活用」 |
東京大学 大学院工学系研究科 建築学専攻 今野 雅 様 |
OpenFOAMを代表とするオープンソースのCAEツールの普及活動を行っているオープンCAE学会の活動紹介を軸に、日本におけるオープンソースCAEの現状を俯瞰します。
また、東京大学版T2KオープンスパコンおけるOpenFOAMを用いた超並列計算の経験を元に、CAE分野でのOpenFOAMによるスパコン活用の事例と今後の期待を述べたいと思います。 |
●特別講演(15:45〜16:45) |
「OCTAとは何か? K Computerでのアプリケーション構築の視点から」 |
理化学研究所 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部 黒田 明義 様 |
OCTAとは産学連携して開発されたソフトマテリアルに対する統合シミュレータである.その目的は,ソフトマテリアルのミクロな分子特性とマクロな材料特性という,様々なスケールの階層を仮想実験技術によって結びつけることである.本講演ではフリーソフトであるOCTAで何が出来るか解説し,スパコン上での応用の可能性,またK
computer開発者側の視点でみたアプリケーション開発について講演する. |
●今日から使える大規模並列計算(10:00〜14:25) |
2011年4月、次世代スパコン「京」に先がけ、小型スパコン「FOCUSスパコン」が稼働開始いたしました。
FOCUSスパコンは、今回の懇話会会場である計算科学センタービルの1階に設置されており、財団法人計算科学振興財団(略称:FOCUS)が運営を担当しています。このスパコンは産業界による活用を主目的としており、企業が気軽に利用できる運用システムと、多くの商用ソフトウェアおよびオープンソースソフトウェアが初期より導入済みであることが特長です。
今回、下記の皆様のご協力により、FOCUSスパコンに初期導入されているソフトウェアを中心として、大規模計算、オープンソース活用などをテーマにした話題をご紹介します。FOCUSスパコンでの利用のみならず、企業内での商用・オープンソフトウェアによる並列計算システム構築のご参考にして頂けると思います。 |
(10:00〜10:40)
「Open FOAMを用いた気流シミュレーション」 |
ダイキン工業(株) 環境技術研究所 小松 彰 様(予定)
日本SGI(株) 技術統括本部 HPC技術本部 住友 正紀 様 |
近年、オープンソースで提供されるCFDソフト「OpenFOAM」の普及が加速し始めており、弊社でも空調機器の設計開発への適用を検討している。本発表では、その適用可能性の評価事例と屋外空間を対象とした大規模並列計算の事例を紹介する。また、FOCUSスパコンを用いたリアルタイムでのデモを行う。 |
(10:40-11:20)
「大規模構造解析への取り組み」(ADVENTURE Cluster)
(プレゼンテーション資料) |
住商情報システム(株) 彌永 大輔 様
協賛:株式会社アライドエンジニアリング |
国産初」・「大規模」をキーワードとして開発されたNew Waveの構造解析ソフトです。
数千万自由度を超える大規模問題も高速に解決し、また高い並列効率により計算規模の拡張性も確保しております。
また最近では、樹脂流動シミュレーションソフトであるMoldflowとの連成解析の仕組みを提供するなど、日本を牽引する製造メーカー様がより高精度な構造解析が行えるよう、日々切磋琢磨し進化して推し進めております。
今回、FOCUSスパコンシステムを利用して、ADVENTUREClusterでの大規模構造解析のスピードやパワーをご紹介させていただきます。
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(11:20-12:00)
「MARCにおける並列計算機能のご紹介」 (プレゼンテーション資料) |
エムエスシーソフトウェア(株) 末松 芳幸 様 |
CAE技術と計算機環境の発展により、大規模な解析をより短時間で実行できる技術に対するニーズが年々高まってきています。非線形構造解析ソルバーであるMarcでは、1990年代に領域分割法による並列計算機能を採用し、以降最新のバージョンに至るまでさらに新しい技術も加えつつ継続して開発を行なってきました。
本講演ではMarcに搭載されている並列計算の最新技術と、FOCUSスパコンにおける活用の仕方などについてご紹介します。
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(12;00-12:40)
「ANSYS WorkbenchおよびHPC技術のご紹介」 (プレゼンテーション資料) |
アンシス・ジャパン(株) 大阪営業所 技術部 横山 卓也 様 |
近年、様々な産業分野でシミュレーション(構造解析・流体解析・電磁場解析等)の認知度は高まり必要不可欠な存在になりつつあり、今後、製品開発にシミュレーション技術を採用する動きが進むと予想される。
ANSYS社は「Simulation Driven Product Development」をキーワードとして、製品開発を行っていく際に製品化プロセスの上流で設計品質を高めるバーチャル・プロトタイピング」の普及のための製品開発を行っていく予定である。
そのためには、解析の専門家だけでなく設計者自信が使用できる環境および、様々な領域の物理現象(マルチフィジックス)を扱えるシミュレーション環境を実現し、 これを短時間に実施できるシステムが必要になる。
そこで今回は、これらの環境を実現するための統合操作環境「ANSYS Workbench」の紹介およびソルバの処理能力高めるための「HPC(High
Performance Computing)」技術に関する事例を紹介する。
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(13:45-14:25)
「Advance/FrontFlow/red, Advance/FrontSTRのご紹介」
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アドバンスソフト(株)技術第3部 杉中 隆史 様 |
アドバンスソフト株式会社は、我が国の計算科学技術の振興を目的に文部科学省が2002年より実施した「戦略的基盤ソフトウエア開発プロジェクト」を産官学で実施するために設立された会社です。
この度、皆様に利用いただく事を目的として、財団法人計算科学振興財団様のスパコンに流体・構造・ナノ・バイオ・材料分野の5種類のソフトウエアをインストールさせていただきました。今回は以下の流体・構造分野のソフトウエアの紹介をさせていただきます。
Advance/FrontFlow/redは文部科学省のプロジェクトにおいて開発された大規模・並列計算を実現する流体解析ソフトウエアのFrontFlow/redをベースに、当社が高速性、計算安定性、使い勝手などの改良を加えたソフトウエアです。適用分野としては空力、燃焼、騒音、キャビテーションなどがありますが、本講演ではそれらの解析例を並列性能と併せてご紹介します。
Advance/FrontSTRは文部科学省のプロジェクトで開発された大規模・並列計算を特徴とする構造解析ソフトウエアです。幾何学的非線形、材料非線形、境界非線形など非線形解析機能も充実しています。本講演では、大規模計算となるアセンブリ構造解析機能やメッシュ自動細分化機能について、PCクラスタ・スパコンによる並列計算性能も含めてご紹介します。
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(14:25-15:15)
「計算科学科学振興財団(FOCUS)とFOCUSスパコンのご紹介」
(プレゼンテーション資料) |
計算科学振興財団 福田 正大 様
富士通(株) 古跡 俊郎 様 |
計算科学振興財団(FOCUS)の事業内容について説明の後、今年4月より稼働開始した「FOCUSスパコン」の概要、および利用方法について解説いたします。<BR>
FOCUSスパコンでは、企業様が使いやすい運用を行い、導入済みのフリーウェアや一部の商用アプリが利用できるほか、自社開発プログラムの移植も可能です。また、トライアル利用制度や、アプリ講習会などの利用支援も行っています。
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