第58回関西CAE懇話会 |
テーマ |
「CAEのユーザー事例 T」 〜本音で語る事例紹介〜 |
日時 |
2018年4月20日(金)13:15〜17:00 |
場所 |
NLC8号館11階 会議室
大阪市淀川区西中島3丁目9−13
■アクセス
【地下鉄】御堂筋線・西中島南方駅 徒歩5分
【JR】新大阪駅 徒歩10分
【私鉄】阪急電車・南方駅 徒歩10分梅田
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受付 |
12:45受付開始 |
はじめに |
「趣旨説明」 |
時間 |
13:15〜13:30 |
概要 |
CAE懇話会でもAIやDL等を取り入れてCAEを高度化しようという動きが見られますが、企業の第一線で働く技術者にとって、日々の開発業務にどうやってCAEを活用するか依然として頭を悩ます大きな問題です。とくにいかに解析問題を設定するか、解析対象をどこまでどのようにモデル化するか、境界条件や荷重条件の設定が適切か、いかに解析結果から有益な設計情報を見いだすか等々について苦労が絶えません。
そこで、我々は、小規模で中身の濃い解析事例発表の場を設けて、解析についての成功の喜びや失敗の苦しみを分かち合い、皆様のスキルアップにつなげればと思っております。 |
講演1 |
「樹脂ペレット流動性向上のためのペレット形状検討 」 |
時間 |
13:30〜14:15 |
講師 |
ダイキン工業株式会社 劉 継紅 氏 |
概要 |
IT技術の急激な進歩にともないLANケーブルの需要が大きく増えている。LANケーブルに用いられる電線は高速押出成形機で樹脂を被覆されるが、被覆状態が安定しないことが見られる。その原因として、成形過程において押出成形機のホッパーから流出する樹脂ペレットの流量が一定にならず、ペレットが安定的に成形品に供給されないことが挙げられる。
ペレット形状がペレットの流動性に影響を及ぼすことが経験的に知られているが、流動現象が複雑なため、理論的な検討がなされていない。
そこで、我々は、動的陽解法に基づいたシミュレーションにより、ホッパーにおけるペレットの流動性に及ぼすペレット形状の影響を解明し、流動性が向上する最適な扁球(扁平楕円体)と長球(扁長楕円体)のペレット形状を見いだした。また最適ペレット形状は材質、ホッパー角度に依存せず普遍性を有することを確認した。さらに最適な扁球と長球はそれぞれの赤道径と極径との比が相互に逆数の関係にあることも興味深い現象であり数学的な証明が望まれる。
なお、流動性が向上する最適な扁球形状は当社のフッ素樹脂ペレットに適用されており、製品の価値向上に貢献している。 |
講演2 |
「ナミックスにおけるシミュレーションの活用」 |
時間 |
14:15〜15:00 |
講師 |
ナミックス株式会社 榎本 利章 氏 |
概要 |
近年、高密度半導体パッケージの開発において、耐熱性、強靭性、放熱性等あらゆる高機能を持たせるために、半導体封止剤樹脂であるアンダーフィル(以下UF)にもあらゆる要求が集中している。だがUF物性の非線形性が強い事や、実使用時の現象の複雑さから最適設計は非常に困難である。
UFは、常温で液状の熱硬化性樹脂であり、フリップチップパッケージ(以下FCPKG)に注入する。その際、毛細管現象を利用し、空気の泡(以下ボイド)が発生しないように注入しなくてはならない。次に高温化で樹脂を硬化させる過程では、硬化時の収縮応力を減らし、硬化中に剥離等の不良を起こしてはならない。さらに、常温まで冷やす際には冷却収縮応力による不良を起こさず、基板とチップの収縮差により起きるソリも抑制しなくてはならない。その後、Reflow、吸湿試験、信頼性試験(サーマルサイクル試験)にて規定回数以下での剥離や、凝集破壊を起こしてはならない。FCPKGにおいて、UFはUF自身だけでなく、電子回路を形成するバンプやチップのLowK層のような、壊れ易いあらゆる部材を保護する重要な役目を担っている。
本研究では、このような複雑なUFの設計を、シミュレーションと実験を駆使し、検討した経過を報告する。
樹脂は流体から固体に変化する為、全ての現象を一括で解析するのは困難である。よって、流体、固体、疲労の3つに現象を分けて、解析の立ち上げを行った。検証には、V&V手法を用いた。
流体は、毛細管現象を解析できる流動解析で行い、注入時にボイドが発生しない事が要求される。
固体は、液体から固体になる硬化時、固体の状態で高温から常温までの冷却時の2種類のケースを扱う。硬化時は硬化収縮応力が小さい事が要求され、冷却時には各部材・樹脂の熱収縮の差異から発生する内部応力を小さくし、基板のソリも抑える事が要求される。樹脂は粘弾性挙動を示すので、非線形構造解析で行う。
疲労は、主に樹脂の実使用時の品質を保証するために行う。サーマルサイクル試験にて、剥離や凝集破壊が規定以下で起きないことが要求される。この疲労がUFの目的にもなっており、吸湿や外的環境からの電子デバイスの保護もあるが、実使用時の熱変形による各部材の疲労破壊を防ぎ、機能を損なわないことも重要な役目である。
UFを注入から硬化、サーマルサイクル試験による疲労までをシミュレーションするのに、ソフト側の制約・限界と、重要な実現象のポイントを考慮して、検討することが必須である。 |
講演3 |
「スターライト工業におけるCAE解析の製品への適用事例 」 |
時間 |
15:15〜16:00 |
講師 |
スターライト工業株式会社 林 悠帆 氏 |
概要 |
弊社におけるCAE解析の製品への適用事例を幅広く紹介させていただいたのち、いくつかの事例において解析の詳細をご説明させていただきます。 |
講演4 |
「ロバスト最適化設計技術の導入による次世代型メカニカルシール開発の高効率化」 |
時間 |
16:00〜16:45 |
講師 |
イーグル工業株式会社 井上 秀行 氏 |
概要 |
メカニカルシールに要求される環境配慮性能は年々厳しくなっており、これに対応すべく開発した次世代型メカニカルシールに用いている表面テクスチャリング技術は、超低トルクとなる潤滑機能とゼロリークという密封機能を両立させるために今や無くてはならない必須の技術となっております。
本講演では、この次世代型メカニカルシールの開発するに当たっての効率良い表面テクスチャリング技術構築に関して行ったCAEロバスト最適化の事例を紹介致します。 |
資料
展示 |
会場のスペースの関係で、デモ展示コーナーはありませんが、受付配布資料を募集します。 |
参加
費用 |
第58回関西CAE懇話会 参加費用
■CAE懇話会個人会員
・一般 :2000円(税込) ・学生会員 :無料
■CAE懇話会団体会員(正会員、賛助会員)の社員の方
・2000円(税込)
■CAE懇話会個人会員外
・一般 :3000円(税込) ・学生/院生: 1,000円
※参加費用は参加されるコースに関係なくいずれも上記の費用となります。
当日受付にてお支払いください
☆所属する企業・法人が団体会員様の場合、個人会員の参加費用が適用されます。 |
参加費用の請求書による振込みを希望される場合は、事前に
CAE懇話会事務局(jimukyoku10@cae21.org)までご連絡ください。会場での請求書支払申込はできません。 |
新規にCAE懇話会個人会員となって、個人会員としての参加を希望される場合には、4月13日(金)までに
個人会員登録申請を行ってください。すでに個人会員の方は、その必要はありません。 |
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参加
申込 |
申込みはこちらから |
備考 |
1.内容については、変更される場合があります。最新情報は本ページでご確認ください。
2.会場の都合で交流会はありません。 |