●事例紹介 (14:00〜17:00) |
|
事例1 |
|
「高分子溶融体のレオロジー特性と成形加工」 |
|
山形大学 機能高分子工学科 准教授 杉本 昌隆様 |
|
レオロジーとは物質の変形と流動を取り扱う学問分野であり、その対象は非常に幅広い。日常生活においてもレオロジー的なことが直接関係することは多い。水に溶いた澱粉ははやくかき混ぜると硬くなり、輪ゴムは大きく引っ張っても元に戻る。これらの面白い観察結果は、弾性力学や流体力学で表すことはできない。高分子材料もそのような材料の一つであり、考慮すべき時間スケールとサイズの分布が広い。ここでは、成形加工性の観点からレオロジー特性を改良した例について紹介する。
|
|
事例2 |
|
「剛体微粒子集合系の平衡構造シミュレーション」 |
|
山形大学 機能高分子工学科 准教授 香田 智則様 |
|
液晶分子、ビールス、赤血球など、分子の大きさのナノのオーダーからミクロンオーダーまでの、幅広いサイズの微粒子の集合構造を解析するためのシミュレーションソフト
ESCARGOT を紹介する。剛体微粒子系のシミュレーションは、コロイド微粒子系や材料の改質のために充填される微粒子のとる構造の解明だけでなく、分子が形成する秩序構造の解明にも貢献できる。微粒子間の相互作用は、微粒子が重なることはない、という排除体積効果のみで、また、シミュレーションにはモンテカルロ法の一つである、メトロポリスの方法を用いている。このシミュレーションソフトを用いた、研究例を紹介する。
|
|
事例3 |
|
「プラスチックCAE技術の現状と今後」-CAO技術を用いた製品構造、材料物性の最適化- |
|
住友化学(株) 東川 芳晃様 |
|
プラスチックCAE技術は、1980年前後の黎明期から着実に発展しており、現在ではプラスチック製品開発において必須の技術として活用されている。2000年代に入ると、CAO技術との統合により、製品構造や成形加工条件のみならず、材料物性の自動最適化も可能になってきた。
本講演では、自動車内装部品および射出成形金型のランナー・ゲートの最適設計事例についてその具体例を紹介する。また、さらに次世代CAE技術について展望する。
|
|
|
|
事例4 |
|
「ゴムベルトの接触解析」 |
|
山形大学 機械システム工学科 助教 森本 卓也様 |
|
ベルトの設計において、ベルトとプーリとの接触力と接線力およびベルトの張力と速度を決定するための接触解析は中心的な役割を果たしている。これらが決定されると、伝達効率や最大伝達可能トルクに関わる性能設計と疲労破壊やノイズに関わる強度設計に対する重要な指針を与える。本講演では、ベルトとプーリの転がり接触状態を見積るための力学モデルを通して、ゴムベルトの設計パラメータと摩擦・摩耗をコントロールするための力学的な描像を提示する。
|
|
事例5 |
|
「スパイラル配管金型を用いたテストカップの成形とCAE解析」 |
|
山形県工業技術センター 企画調整室 後藤 喜一様 |
|
従来のプリハードン鋼による金型製作では、ガンドリルによる直線形状の冷却回路に限定され、キャビティ表面から離れた位置に配管を通す構造になっている。当センターで開発したPH鋳鋼は、市販のプリハードン鋼に匹敵する金型材質でありながら鋳ぐるみ加工ができるため、自由に配管を曲げてキャビティ表面近くに配置する自由設計が可能になった。そこで、CAEを活用して温調能力に優れた金型冷却配管を設計し、テスト成形品の試作成形を行い、金型温調の効果を検証した。
|
|
|
|
事例6 |
|
「半導体パッケージの熱変形シミュレーション精度の向上へのアプローチ」 |
|
日本アイ・ビー・エム株式会社 西尾 俊彦様 |
|
複数の半導体チップからなる3次元パッケージ構造において、複雑な熱変形挙動を開発段階で正しく 予測する事の重要性は大きい。その背景の中で、デジタル画像相関法を用いた複合材料特性及び熱変形計測挙動の計測結果の利用により、シミュレーションモデル精度を大幅に向上させた事例を紹介する。
|
|
|