No
質問とその回答
回答者
(02-02)
自由度 自由度とは何か。 
シェル、ビーム、ソリッドなどの要素による違いはあるのか。 
ソリッドは3自由度なのにシェルはなぜ5自由度なのか
MSC 石川さん
京大 小寺教授
A
[自由度の考え方]
まず2次元面内だけで挙動を考えます。空間に置いた点を X,Y,Z方向に動かすためには、まず平行を考慮し、さらにそれぞれの軸で回転する必要があります。そうすることで3次元空間のどこにでも点を動かせます。
 


 

   (↑ 反ることができる)
 

[シェル要素の自由度]
基本的には6自由度ですが、以下のような場合、変形によって非常に大きな応力集中が発生してしまいます。

このモデルでは破壊が起き、計算できなくなります。これを避けるため、シェル要素では1自由度減らすことがあります。こうすることでこういった変形は起きないと仮定できます。

[ソリッド要素の自由度]
ソリッドはX,Y,Zの平行な方向に動かすことができますが、回転方向に自由度を持たせると変形してしまいます。従って3自由度となります。

[自由度の計算]
 ・ シェルは5自由度。1万要素の場合は、 5 × 10000 = 5万自由度 となります。
 ・ ソリッドは3自由度。1万要素の場合は、 3 × 10000 = 3万自由度 となります。

     (K) * U = f
                U : 自由度の数

[ソフトによる違い]
 ・ NASTRAN は面内の曲げを設定できません(K6ROTパラメータなら設定可能)。
 ・ ABAQUASは面内回転を設定できます。ABAQUASはシェルは常に6自由度で解いています。