(05-01)
Q:1次応力、2次応力、ピーク応力とは?
1.説明
原子力では それぞれの破壊モードに応じて、1次応力、2次応力、ピーク応力という応力分類をして強度評価を行なっています。(ちなみに原子力では「最大せん断応力説」を適用しているので応力強さ(Tresca応力)で評価しています)
1次応力、2次応力というのはメッシュの切り方次第で算出できると言うのではなく(当然、それなりに応力分布が表現できるメッシュ分割は必要ですが。)、評価部位にかかる荷重等により分類されるものです。
基本的に、ある評価部位の板厚方向応力分布から、その部位にかかるモーメントを積分して、板厚方向の膜成分(平均応力)と曲げ成分(等価線形応力)を求めて、それを1次応力とか、2次応力とか
としています。(ANSYSでは、このような等価線形処理がPost機能でついています)
2.応力の分類について
容器の構造不連続部から離れた一般的な部位における応力の分類を、応力の分類の例として以下に示します。
強度評価では以下に示す各応力(一次応力、一次+二次応力、一次+二次+ピーク応力)が、それぞれに対する許容値(降伏点、疲労強度、etc)以下であることを確認しています。
容器 | 荷重の種類 | 応力の分類 |
構造不連続部から離れた一般的な部位 | 内圧 | 膜応力(板厚平均応力)SA | 一次応力 |
曲げ応力(板厚方向勾配成分)SB | 二次応力 |
熱 | 膜応力+曲げ応力の等価直線成分 | 二次応力 |
SA+SB | |
曲げ応力の非直線成分 SP | ピーク応力 |
外荷重 | 膜応力+曲げ応力 | 一次応力 |
- ST:一次+二次+ピーク応力(FEM解析で求めた全応力)
- SP:ピーク応力
- SB:曲げ応力
- SA:膜応力
・参考文献 → 解説 原子力設備の技術基準 (1994) 電力新報社