会  長  田中 豊喜 (東レ)
新年明けまして、おめでとうございます。
今年は21世紀の初年の年、記念すべき第一歩を夢と希望を抱いて迎えられた事とお祝い申し上げます。
21世紀初頭の企業環境は、情報技術(IT)革命とそのグローバルな普及によって、変革することは間違いないと思います。
製造業のITの中核となるDigital Engineering化は加速され、それに伴いCAEの重要性がますます高まっていく事と予測されます。
昨年関西CAE懇話会が発足し、大盛況に終わりましたことは、CAEの重要性とその意識が、関西で高まった証拠であります。
20世紀、最高の経営者と言われているGE社のジャック・ウェルチ会長は経営方針の一つとしてSPEED・STRETCH・BOUDARILESSを掲げておりました。
SPEEDは、時間的スピードだけでなく、変化に対するスピードも大切、を意味しております。
STRETCHは、過去に設定した目標を、変化に応じて更に高めて挑戦する気構えです。
BOUDARILESSは、組織・企業・産学の壁(境界)を越えて、オープンマインドで行動することです。
ジャック・ウェルチ会長の経営に関する、この基本的考え方は21世紀にも通用します。
関西CAE懇話会は、このBOUDARILESSを前面に出し、明るく自由闊達な交流会をスローガンに発展して参りました。関東にない強みと、自負しております。
アメリカでも東海岸より西海岸が元気があると言われております。
シリコンバレーが活性化している理由を、スタンフォード大学のギボンズ教授は3つのOKがあるからと解説されております。
1つは、変化に対するOKで、むしろ変化しない事に危機感を持っています。
2つは、失敗に対するOKで、むしろ失敗した経験が本人のキャリアアップに繋がります。
3つは、交流(Communication)に対するOKで、壁を破って自由闊達な交流が大切とされております。
関西CAE懇話会もシリコンバレーに負けないように、頑張っていきたいと願っております。
したがって皆様のご愛顧、ご支援、ご協力を、今後もよろしくお願い申し上げます。



副会長  平野    徹(ダイキンシステムソリューシンズ研究所)
「21世紀のCAEとは?」
2000年にスタートした関西CAE懇話会が、いよいよ21世紀の活動を開始することになります。
今やCAEは、製造業の製品開発プロセスの中で確固たるポジションを占めています。
しかし、IT革命の進展は全てのプロセスでのさらなるスピードを求めています。
また、革新的商品のコンセプト創出にも、デジタル・プロセスが活用されていきます。
そこで、21世紀のComputer Aided Engineeringは、Advanced & Intelligent  Solution Technologyとして研究開発と製造を統合する新たなビジネス・プロセスへと進化すると期待しています。
今後共、この集まりを通じて企業の枠を超えたアライアンスやシナジーを生み出して行きたいと考えています。
21世紀もよろしくお願いいたします。
幹  事   三木 孝夫(菱友システム技術) 
昨年2月に発足しました関西CAE懇話会も既に4回を数え、参加者数もどんどん増え続けています。
参加者を増やして議論を活発にすることも当初の目的の一つであった筈ですから、それはそれでハッピーなのですが、参加者の数が多いだけで本当に良いのでしょうか?
この辺でちょっと足を止めて現状を冷静に見詰め直し、改めて方向を見定めた上で次のステップへ進む・・・・・この慌ただしい世の中では、逆にそれくらいの余裕を持ってもいいのではないでしょうか?
七転び八起きと言いますが、転んだことのない人に転んだ時の痛みは分からないし、また、転んでも起き上がり方が分らない・・・・・ 前へ前へ突き進みがちな人が多い中で、後ろ向きとか足を引っ張る、との謗りを受けることも或いはあるかもしれませんが、私は今年も言うべきことはきっちりと言っていきたいと思っています。
言い換えれば、「転ばぬ先の杖」になれればいいな、と思っています。最近の話題として「IT」とか「e−XXXXX」とかが脚光を浴びていますが、果たして、それらから「CAD」や「CAE」が連想できるでしょうか?
「IT」と「CAE」との係わりについても、今後のテーマに取り上げて行きたいと私は思っています。
また、各種の分科会活動を活発にしていくのも、CAEを活性化する一つの有力な手段と私は考えます。
薄っぺらなうわべだけの知識でなく、知識を深める努力も必要ではないでしょうか?
また私は、この会に、ハードウエアベンダー・ソフトウエアベンダーに対する圧力団体としての性格も持たせたいと考えています。ユーザーにとって、特にソフトウエアの価格の高さは大きな問題になっています。
ユーザーあってのベンダーであることを、もっともっと理解願う、させるべきではないでしょうか。
曲がったこと、理不尽なこと、納得の出来ないことは黙っておれない(困った?)性格から、私はユーザー会議やカンファレンス、フォーラムといった場所でも、大勢の出席者の前でも要望や苦言をぶちまけ、時として主催者をこき下ろすことも度々やってしまう訳です。
しかし、私の話を聞くのを楽しみに出席を・・・と、私の意見に賛成の方々もおられますし、ある意味では、私なりのベンダーさんへの「エール」だと自分では思っています。
そのソフトウエアに愛想を尽かして今後の使用を止めるのならば、何もそんな過激な行動に出る必要はないでしょう。
結構エネルギーがいるんですよ、文句を言うのも・・・。
さて、話はガラっと変わりますが、こういう世界にいるせいか、最早化石に近い年齢ながら、私の交流関係の幅は結構広いと思っています。
さすがに、金髪、顔グロ、厚底の知り合いはおりませんが、茶髪、ジージャン、といった風の若者達との付き合いは結構あり、飲みに行ったり、遊んだりもします。
神戸のルミナリエのことを、「ナリエ」と若い人達が言っていることも当然知っています。
もちろん、同年代の人達やCAD/CAEの世界の社長、部長、課長といった同業の方々との付き合いもあります。
また、五目飯、和洋折衷ではありませんが、堅い話、柔らかい話のどちらでも大丈夫です・・・・・多分?!
見かけは真面目で恐そう(?!)と言われる方も時々おられるようですが、実際は結構面白いと思います(さてどうでしょう?!)ので、是非気軽に声を掛けてみて下さい。
メールでも結構です。CAEの現状と未来について意見を交換し、一緒に語り合いませんか?今後とも、関西CAE懇話会を宜しくお願い致します。
                      
幹   事   西浦 光一(積水化学工業) 
新年明けましておめでとうございます。
CAE懇話会も発足以来1年が経とうとしています。
昨年は皆様のご協力を得て懇話会を運営してまいりました。それは私たちと皆様方の 手作りの会であったと思います。
それだからこそ皆様と感動を共有することができここまでこられたと思っておりま す。
懇話会も4回目には約300人の参加 となるまでになりました。ご声援をいただくことに喜びを覚えながら同時に大きな責 任も感じております。
さて、21世紀を迎え、CAEは進歩していきます。日本は物作り立国です。それ を支えてきたのは現場の技術力であったと思います。
その中身は時代とともに変わっていきます。昨今の情報革新には目覚しいものがあり ます。
情報をどう使いこなすかが成功を収める ポイントとなるでしょう。
物作りにおいてその情報の一つにCAEがあるはずです。 いわゆる物作りの知識情報と結合した知能としての CAE情報が重要です。
今年度は昨年度から一歩進めて、物作りのためのCAEを論 じていきたいと思います。どうか今年度もよろしくお願いします。
                     
幹   事   森脇 信康(松下電器産業) 
21世紀の製造業を支える革新的な技術として「ディジタル・マニュファクチャリング」を挙げることができます。
これは、コンピュータの中に
仮想の作業環境や工場ラインを作り出し、製造工程の様々な問題を事前に検証しようとするものであります。
そして、その中核には商品を仮想実験・仮想試作することにより、物を作る前に機能評価・品質確認を行えるCAEが位置しています。
ディジタル化の歴史は手書き図面から2次元CADの導入へと進歩し、今日では3次元CADの導入が急速に進んでいます。
製品を3次元のモデルで表現することでCAM・CAEとの連携が可能になり、加工の自動化はもとより、それまでは専門家に頼っていたCAEが身近なものになり、商品・部品の構造解析程度は設計者自身が行える環境が整いつつあります。
反面、CAEが身近なものになればなるほど、実際に活用する技術者の悩みはますます大きくなっていきます。
その悩みと課題解決の場として、「関西CAE懇話会」の役立ちに期待すると共に、発展させていきたいと思います。
幹   事   仲町 英治(大阪工業大学) 
関西CAE懇話会の皆様、明けましておめでとうございます。
創造の世紀・21世紀を迎えて心の躍動を覚えています。
関西CAEが技術者ルネサンスの”うねり”を創造する力となりますよう祈っています。
ITの発展が人間の心を豊かにするよう、関西CAEで人間の和と知力を磨きたいものです。
起業家が輩出しますよう祈っています。
幹   事   前川 佳徳(大阪産業大学) 
西暦は、イエス・キリストが誕生したとされる年(4〜5年の誤差があり ますが)を紀元元年とするものですが、その2001年目(21世紀の スタート)が来たということに、どのような意味があるのでしょうか?
それに意味を持たせるのは、私たちの思いと行動です。
世の中(とくに日本においては)かなりのものが解決されずに 新世紀に持ち越され、何ともすっきりしない心境です。
それぞれの分野で、すきーっとしたブレークスルーを見たいものです。
CAEのブレークスルー、それは環境・エネルギ問題への評価、 人類・地球への愛情を評価できるものになることです。
設計(Design)とは、神の意思(Sign)から離れる(De)こと、 そこから離れて具体的なモノに反映させること、すなわち、 神の意思を具体的なモノに反映させることです。
21世紀も、CAE伝道師でありたいと願っています。
よろしくお願いします。
                     
事務局   小寺 秀俊(京都大学) 
多くの人々に支えられて,第4回の関西CAE懇話会も盛況に終わりました。
参加された方及び関係各社と関係者の方々にお礼申し上げます。
ディジタル時代と言われる21世紀を迎え、時代を支える基幹技術が何であるかを考えたとき、CAEが果たす役割は大きく、関西CAE懇話会の位置付けが益々重要になるのではないかと考えます。
関西CAE懇話会はその設立時の思想にあるように、参加者全員で作るものであり、2年目を迎え、より多くのCAE関係者が参加され活発な活動がなされるよう、事務局として頑張りたいと思いますので本年もよろしくお願い申し上げます。                                
事務局   辰岡 正樹(日本アイ・ビー・エム) 
2000年2月に動き始めた関西CAE懇話会ですが、その後、当初の予定通り3回の開催を無事終えることができました。
12月1日の第4回には約300名の方が参加され、1年目としては参加者数は予想以上のレベルまで来る事ができました。
CAEに対する熱い思いを持った人が数多くおられること、しかも現状に満足していない、何かモヤモヤしたところがあり関西CAE懇話会に来れば何かがあるのではないかと期待されているという事がこれだけの参加者が来られた理由ではないでしょうか。
いよいよ2001年、21世紀を迎え、関西CAE懇話会は2年目になります。
今年は、量も大切でしょうが、質を高めることに重点を置きたいと思います。そのために自由闊達、バウンダリーレスを基本に、みなさんと一緒に知恵を出し合い、ますます活気ある関西CAE懇話会にしていきましょう。
”CAEによる企業活性化”を企業の規模にかかわらず実現したいものです。
今年も事務局として、よろしくお願いいたします。

     2002年度