●基調講演 (10:00〜10:40) |
|
「鋳造プロセスCAEの変遷」 |
|
東北大学 大学院工学研究科 金属フロンティア工学専攻
創形創質プロセス学講座 創形材料工学分野 教授 安斎浩一様 |
|
鋳造時に発生する引け巣をコンピュータで予測する技術が1980年初めに実用化したが、今思えば奇跡に近いできごとだった。出始めたばかりの32ビットPC上で稼働する小さいCAEソフトだったが、方案改良に大いに役に立った。現在では、高速のCPUと大規模なメモリー空間を有するPC上で1億を超える要素で解析可能であり、湯流れ解析や熱変形解析も組み込まれた大きなCAEシステムに成長している。筆者は、黎明期から今日まで鋳造CAEにかかわる仕事をしてきた。鋳造CAEの特徴と特殊事情についてご紹介する。
|
●事例紹介 (10:40〜15:00) |
|
事例1(10:40〜11:00) |
|
「ANSYS ICEPAKによるプリント回路基板の熱と信号特性の相反関係について」 |
|
サイバネットシステム(株) メカニカルCAE事業部 営業第1部 東日本営業技術推進グループ 増田 俊輔様 |
|
近年、電子機器の高密度、高性能化が急速に進んだことにより、機器の熱対策が非常に重要となってきている。一方で半導体部品を実装した回路基板は、信号処理という本来の機能を満足しなければならず、設計者は信号品質と熱対策を考慮して回路・基板設計を行わなければならない。本事例では信号品質と熱の相反関係を紹介し、さらに両者を満足するための効率のよい手法を提案する。 |
|
事例2(11:00〜11:20) |
|
「流体解析を用いた熱設計の最近の動向」 |
|
(株)ソフトウェアクレイドル 技術部 部長代理 久芳 将之様 |
|
ここ数年でCFDを使った熱設計が急速に広まっており、少なくとも電機分野においては市民権を得てきているように思います。私どももお使い頂いている皆様のご要望を中心に各種機能を付加してきております。懇話会では、まもなくリリースされる新バージョンに搭載される機能を中心にベンダーの立場から見た、最近のCFDによる熱設計の動向についてお話ししたいと思います。
|
|
事例3(11:20〜11:40) |
|
「CATIA V5で始める熱・流体解析」 |
|
伯東インフォメーション・テクノロジー(株) 開発技術部 岡田 明敏様 |
|
近年、解析ソフトウェアは、解析専任者用から設計者用まで多くのソフトウェアが普及しています。しかし多くの熱・流体解析ソフトウェアでは、3Dデータをそのまま使用できずに、データ変換や流体ソリッド抽出等の付帯作業が必要でした。CATIA
V5とFloEFD.V5を使用する事で、3Dモデルをそのまま解析モデルにする事が可能となり、設計変更にもシームレスに追従します。本セッションでは、簡単なモデルを使用して分かりやすくご説明します。
|
|
事例4(12:30〜13:00) |
|
「アルパイン(株)における熱CAEの取り組み」 |
|
アルパイン(株) 意匠製品開発部 木下佳久様 |
|
アルパインのCAEの中で一番利用頻度が高いのが熱流体解析である。現在の熱流体解析の利用状況と解析結果の活用方法について紹介する。
|
|
事例5(13:00〜13:30) |
|
「アルプス(車事)熱CAEの取り組み」 |
|
ALPS電気(株) 車載電装事業部 試作部 システム技術Gr 菅原大輔様 |
|
車載電装品は、自身が発熱することに加え、外部熱環境も極めて厳しい。そこで、温度を予測するCAEと、温度による影響を予測するCAEのいずれも必要となる。温度を予測する技術として取り組んできた熱流体解析の事例紹介と、熱の影響を予測する技術として取り組んできた、半田のヒートサイクル寿命予測CAE、リフロー時のプリント基板のソリ変形予測CAEに関して事例を紹介する。
|
|
事例6(13:30〜14:00) |
|
「宮城県産業技術総合センターでの熱解析支援事例」 |
|
宮城県産業技術総合センター 材料開発・分析技術部 材料応用技術班 久田哲弥様 |
|
宮城県産業技術総合センターでは、企業様からの技術的な相談に対してCAEを活用した支援を実施しています。相談では構造解析に関するものがほとんどですが、伝熱や熱応力、流体解析に関する内容も散見されます。本発表では当センターに寄せられた相談に対応した事例を紹介します。
|
|
事例7(14:00〜14:30) |
|
「ダイカストにおける流動解析の活用」 |
|
岩機ダイカスト工業(株) 技術革新推進室 村上正嗣様 |
|
弊社でのCAEの位置づけ、活用状況と、熱に関する項目を発表する。以前より解析上では問題がないのに、現物で不具合が出るケースがあり、湯ジワ(シワ状の欠陥)など温度に起因するものが多かった。温度に係る解析設定の見直しを行い、結果確度が向上した。以下の2項目について紹介する。解析開始時の溶湯(溶けた金属)温度の設定を、鋳造機内での現実の初期温度を測定しこれに合わせこんだ。溶湯〜金型間の熱抵抗値(熱の伝わりにくさ)の設定を、湯ジワがはっきりと現れる条件で現物を実際に作り、これに合わせこんだ。
|
|
事例8(14:30〜15:00) |
|
「大規模アセンブリにおける流体解析ツール導入検証について」 |
|
東北リコー 開発プロセス改革センター プロセス改革推進G 主任 沼田俊也様 |
|
設計区からの要望により、製品全体での気流シミュレーション実施に向けた、ツール選定、シミュレーション検証など、製品テーマへの導入に向けた取組みとその中で解ったこと、今後の取組みについて。
|
●解析塾 (10:00〜16:40) |
|
解析塾1 (10:00〜11:40) |
|
「熱流体基礎理論」 |
|
京都大学 工学研究科 教授 中部主敬様 |
|
熱流体解析は一体何を計算しているのか?を理解する事により、実機とCAEの相関、および、問題が起きた時の改善の糸口を考える上での基礎知識を学習します。
|
|
解析塾2 (12:40〜14:20) |
|
「熱応力基礎理論」 |
|
岩手大学 工学部 機械工学科 准教授 西村文仁様 |
|
熱応力解析は一体何を計算しているのか?を理解する事により、実機とCAEの相関、および、問題が起きた時の改善の糸口を考える上での基礎知識を学習します。
|
|
解析塾3 (15:00〜16:40) |
|
「熱問題と最適化」 |
|
サイバネットシステム(株) 新事業統括部 PIDO室 半澤 昭光様 |
|
CAEにより熱問題の現象を把握できる現在、これらの問題をどう解決し最適な設計を実現するかという課題があります。ここではその解決策の1つとして最適化についてお話致します。最適化についての基本的な用語や手法について、難しい数式を使わずにご説明します。また、電子機器熱流体解析ツールANSYS
ICEPAKと最適設計支援ツールOPTIMUSによる熱問題に関わる最適化の事例をデモンストレーションを交えご紹介致します。
|
●特別講演 (15:40〜17:00) |
|
特別講演1 (15:40〜16:20) |
|
「熱問題とCAE」 |
|
岩手大学 工学部 機械工学科 教授 廣瀬宏一様 |
|
CAEを修論などに利用する立場から教育としての金型・鋳造専攻における取り組みを紹介する。
また解析での2・3の事例を紹介しながら、基礎方程式と熱収支の考え方・重要性を示す。
|
|
特別講演2 (16:20〜17:00) |
|
「MRJに適用された設計探査の考え方」 |
|
東北大学 流体科学研究所 教授 大林茂様 |
|
筆者らのグループでは、多様な性能を同時に改善するための設計アイデアを見出すために、最適化アルゴリズムをベースとした「多目的設計探査」を提案し、様々な工学設計問題への適用に取り組んでいる。設計探査では、特定の優れた設計を探索するだけでなく、設計問題を支配する重要な特徴(性能指標・形状パラメータの因果関係など)を「データマイニング」技術を用いて抽出し、有益な設計指針として提示することを目指している。本講演では、YS-11以来約40年ぶりの国産旅客機開発となるMRJの機体設計への適用例を通じて、設計探査の考え方を解説する。
|